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耳栓・イヤホン

 ミソフォニアに悩む方々にとって、日常生活の中でトリガー音を避けることは大きな課題です。自分に合った耳栓やイヤホンを選ぶことで、症状から自分を守り、より快適に過ごすことができます。ここでは、ミソフォニアに対する効果的なサポートツールとしての耳栓・イヤホンの選び方についてご紹介します。


耳栓を選ぶ時のポイント

〇遮音性の指標


 耳栓の遮音性を示す指標には、SNR(Single Number Rating)とNRR(Noise Reduction Rating)があり、耳栓の商品ページによく表示されています。どちらもデシベル(dB)で示され、耳栓が外部の音をどれだけ減衰させるかを表しています。一般的に、SNRはNRRよりも約5dBほど高く表示されます。

〇フィット感


 長時間使用する場合、自分の耳にフィットする大きさや形状の耳栓を選ぶことで、快適に過ごすことができます。

〇見た目


 カラフルな耳栓や目立ちにくい耳栓など、見た目にもバリエーションがあるので、見た目の好みや使用シーンに合わせて選ぶことも重要です。


イヤホンを選ぶ時のポイント

〇ノイズキャンセリング機能


 ノイズキャンセリングは、周囲の雑音を電子的に打ち消す技術です。この機能のあるイヤホンは、トリガー音を物理的に遮断するだけでなく、電子的に音を打ち消すため、より効果的にトリガー音を遮断することができます。

〇カナル型イヤホン


 カナル型イヤホンは、耳穴を密閉するデザインが特徴です。この密閉性により、トリガー音を物理的に遮断するのに役立ちます。

〇音質とフィット感


 クリアな音質で音楽などを流すことで、トリガー音をより効果的に遮断できる可能性があります。また、耳にしっかりフィットするイヤホンを選ぶことで遮音効果が高まります。

その他の遮音アイテム
〇ノイズキャンセリングヘッドホン
〇骨伝導イヤホン
〇イヤーマフ
※いずれも耳栓との併用が可能です。


カラードノイズ

 ホワイトノイズなどのカラードノイズは、トリガー音を遮る手段として有効である可能性があります。
 紹介している音源はスマホでバックグラウンド再生できます。

ホワイトノイズ
 ホワイトノイズは、すべての周波数で均等にエネルギーが分布している音です。再生することで、他の音が気になりにくくなり、リラックスや集中力の向上に寄与することがあります。
例:テレビの砂嵐の音、ラジオの雑音


ピンクノイズ
 ピンクノイズは、さまざまな音を遮断する効果があり、ホワイトノイズよりもリラックス効果や睡眠効果が高いと考えられています。
例:人間の心拍音、雨音、風音


ブラウンノイズ
 ブラウンノイズは、低周波の音で構成されており、ホワイトノイズやピンクノイズより低音が強く、深みのある音として感じられます。
例:雷、滝


グレーノイズ
 グレーノイズは、すべての周波数で同じ音量で聞こえるように調整されたホワイトノイズです。
例:特になし


 カラードノイズは、ホワイトノイズマシンやスマホの音源系アプリ、音楽サブスクやYouTubeなどでお気に入りの音源を見つけられます。

カラードノイズの使用例
〇室内でスピーカーやホワイトノイズマシンからノイズを流す+耳栓
〇ヘッドホンでノイズを流す+耳栓
〇ノイズキャンセリング機能付きイヤホン・ヘッドホンとの併用

参考文献
・Tyler Connaghan(2021)「The Difference Between Types Of Noise」.Mastered Blog.
https://emastered.com/blog/different-types-of-noise

・Anne Helmenstine(2022)「Colors of Noise – White, Pink, Brown and More」.Science Notes.
https://sciencenotes.org/colors-of-noise-white-pink-brown-and-more/

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伝えるとき

 ミソフォニアを周囲の人に相談した場合、症状の深刻さを真剣に受け取ってもらえなかったり、気にしすぎだと思われてしまうことがあります。伝え方を工夫したり、診断書を提出したりすることを通して、ミソフォニアの深刻さをより効果的に伝えましょう。

伝え方を工夫する



〇LINEなどで情報を送る
〇事前に伝えたいことがあると伝える
〇落ち着いた場所で伝える
〇症状の辛さや苦しさを訴える
〇アサーションを意識して伝える

診断書を提出する



 学校や職場にミソフォニアについて相談した際に、診断書の提出を求められる場合があります。 ミソフォニア症状で診てもらう場合は心療内科や精神科を受診するのが望ましいですが、 医療の現場においてもミソフォニアの認知度は低いのが現状です。 ミソフォニアの名前で診断書を書いてもらえない場合は、ミソフォニア以外の疾患名で診断書を書いてもらうことになります。


啓発アイテム

 現在、準備中です。





場面別の対策


共通

〇その場から離れる
〇一人になれる場所や時間を増やす
〇リラックスできる音楽を準備する
〇深呼吸をする
〇他の環境音(空調や換気扇の音など)を意識して聞いてみる
〇周囲の人に対処について相談する
〇周囲の人にトリガー音を相談する


家庭

〇家族に相談する
〇テレビの音量を大きくしてもらう
〇食事のタイミングをずらしてもらう
〇自室で食事できるようにしてもらう
〇食事中などに耳栓やイヤホンなどを着用できるようにしてもらう


学校

〇担任、学年主任、相談室、保健室などの先生に相談する
〇授業中・試験中の耳栓やイヤホンなどの着用許可をもらう
〇別室試験の許可をもらう
〇授業中に耐えられなくなったら、落ち着ける場所に移動させてもらう
〇特定の動きに対して症状がある場合は席を最前列にしてもらう
〇席を移動させてもらう。
〇受験上の配慮申請を手伝ってもらう
〇オンラインで授業に参加できるようにさせてもらう
〇給食やお昼に別室休憩させてもらう
〇通信制の高校や大学も検討する


職場

〇職場の上司に相談する
〇耳栓やイヤホンの着用許可をもらう
〇席の配置を変えてもらう
〇静音キーボードやキーボードカバーを導入してもらう
〇リモートワークにさせてもらう
〇別室で仕事させてもらう
〇上司の方から同僚に伝えてもらう
〇部署を移動させてもらう


高校受験

〇所属中学校の先生に手伝ってもらう
〇事前に受験上の配慮申請をして、個室受験や耳栓などの着用許可を得る
〇受験当日、試験監督にもトリガー音を伝えておく

 公立高校の場合は、各都道府県の公立高等学校入学者選抜実施要項に受験上の配慮について記載があると思われます。 高校入試の配慮申請をしたい場合は、基本的には中学校の先生に相談して、配慮申請の準備を一緒に進めると良いと思います。


大学受験

〇事前に受験上の配慮申請をして、個室受験や耳栓などの着用許可を得る
〇受験当日、試験監督にもトリガー音を伝えておく
〇必要であれば、所属高校の先生に手伝ってもらう

【受験上の配慮申請の流れ】
※あくまで一般的な例を紹介します。

①受験先のホームページや電話などで申請の流れや必要書類について調べる

②配慮申請書、診断書、必要に応じて状況報告書などの必要書類を準備する

③必要書類を受験先に提出するし、そのまま結果待ち、または受験先と事前相談(面談)をする

大学入学共通テスト
 大学入試センターが大学入学共通テストの「受験上の配慮案内」を毎年度発行しているので、配慮申請の詳細については大学入試センターのホームページから確認してください。

 例年、共通テストの配慮申請では、
①受験上の配慮申請書
②大学入試センター所定の診断書
③状況報告書(個室受験の場合)
の提出が求められます。各書類の様式は大学入試センターのホームページからダウンロード可能です。

大学入試センターホームページ「大学入学共通テスト」
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/

私立大学・国公立大学
 私立大学や国公立大学の個別試験に配慮申請する場合は、基本的に大学ごとに診断書のコピーや申請書などの提出が必要になります。

診断書を入手する時の注意点
〇各試験で診断書の雛型や有効期限などが指定されている場合があります。
〇診断書の受け取りまでに2週間以上かかる場合もあるので、病院には余裕をもっての受診をおすすめします。
〇ミソフォニアの名前で診断書を入手する必要はありません。ミソフォニアは医師の中でも認知度が低いのが現状です。聴覚過敏などの他の疾患名であっても、ご自身の症状によって受験に困難が生じることが必要書類からわかれば問題ないと思われます。
〇入手した診断書は多めにコピーすることをおすすめします。

受験上の配慮の体験談
https://twitter.com/wt6pzwuyyktbfqm
/status/1233716644305719297



その他の受験

 語学試験や国家試験でも受験上の配慮を得られる可能性がありますので、各試験のホームページや電話などで確認してみてください。

語学試験
 TOEICではプライオリティサポートという制度があり、配慮が必要な受験生の希望に沿った受験環境を可能な範囲で用意してもらえます。英検やIELTSなども受験上の配慮について各ホームページ上で確認できます。

一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「プライオリティサポートについて」
https://www.iibc-global.org/toeic/priority_support.html


オープンチャット

 ミソフォニア症状を有する方が相談したり愚痴を共有したりするためのオープンチャットです。

・ミソフォニア(全体)
・ミソフォニア相談・情報交換ch
・ミソフォニア愚痴・本音ch


セルフチェック

  Rosenthal(2021)によって作成されたデューク・ミソフォニア質問紙(DMQ)に基づいたミソフォニアのセルフチェックです。ミソフォニアを診断するものではありませんが、ご自身のミソフォニア症状の理解を深めるためにご使用ください。



ミミのAI相談

 現在、準備中です(2024年11月中旬以降に開始予定)。


医療ネットワーク

 現在、準備中です。また、個別での医療機関のご紹介は行っておりませんのでご了承ください。


対処法情報

・soQuiet
 ミソフォニア患者へのサポートを総合的に提供している非営利団体です。
・Misophonia International
 ミソフォニアの対処法などを提供しているサイトです。
・Noises Off
 Dr.Broutによるミソフォニアに関する記事の連載です。  

ピアサポート

・Misophonia Association
 ミソフォニア患者へのサポートを提供しているアメリカの協会です。
・Associazione Italiana Misofonia
 ミソフォニア患者へのサポートを提供しているイタリアの協会です。
・MISOPHONIA UK
 ミソフォニア患者へのサポートを提供しているイギリスの団体です。

研究・治療情報

・Misophonia Research on PubMed
 最新順で検索したミソフォニア研究の一覧です(PubMed)。
・Misophonia Research Fund (MRF)
 ミソフォニア研究の基金です。
・Duke Center for Misophonia and Emotion Regulation
 デューク大学内にあるミソフォニアに関する研究センターです。
・Misophonia Institute
 治療法や研究の情報を提供しているミソフォニアに関するサイトです。
・Misophonia Provider
 ミソフォニア患者のための医師・心理師等を見つけるためのサイトです。
・Misophonia Research Network
 研究の国際的なネットワークです。
・International Misophonia Foundation
 ミソフォニアの啓発や研究の促進を行っている非営利団体です。

評価ツール

・Misophonia Questionnaire (MQ)
・Duke Misophonia Questionnaire (DMQ)
・Duke Misophonia Interview (DMI)
・Amsterdam Misophonia Scale (A-MISO-S)
・Selective Sound Sensitivity Syndrome Scale (S-Five)
・MisoQuest